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蓮沼浩のコラム
「第168話 「腰椎硬膜外麻酔で自分を見つめる その3」」

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2010年1月21日

 今回は実際に腰椎硬膜外麻酔を実践してみてはたして最初に小生が危惧していた事柄が実際はどうだったのかを検証してみましょう。

(1)今までラインブロックでやっていたのだから何も新しい事をする必要はない。
確かに腰椎硬膜外麻酔を初めてするまではこの様に考えていました。しかし、一度この麻酔方法をやってしまうとあまりの麻酔効果の高さに、もうラインブロックや逆L字ブロックでの開腹手術はできません。そのぐらい強力です。確かに今までの方法でも良いのですが、やらないのはあまりにも勿体ないと思いました。

(2)硬膜外針の実物を見たこともないし、結構高そうだ。特注なのだろうか。どのようにして入手するのだろうか。
薬屋さんに頼めば普通に持ってきてくれます。入手するのに難しいことは一切ありません。おそらく電話一本で事は済むでしょう。値段は一本が1000円ほど。10本セットで1万円程度だと思います。確かに針としては高いです。しかし、小生はそれを上回るメリットがあると感じました。

(3)ゴッツイ長い針を背中に突き刺すのはなんだか危なさそうだ。
ここが結構ネックになっている場合が多いのではないでしょうか。実際やってみた感想からいうと特に危ない感じはしませんでした。枠場に入った牛さんも針を刺していく時におとなしくしていてくれますし、基本通りに行えば特に難しいことはありません。逆に他の方法よりもかなり安全に出来る感じがしました。

 あら不思議、特に何も難しいことはありませんでした。しかし実際に麻酔を行うときにただ1つのポイントだけ小生は少し悩みました。次回はそのポイントを紹介しますね。

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