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蓮沼浩のコラム
「第166話 「腰椎硬膜外麻酔で自分を見つめる その1」」

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2010年1月7日

 新年明けましておめでとうございます。今年も何だかよくわからないけどほんのちょっぴりでも役に立つコラムを目指していきますので何卒よろしくお願いいたします!

 最初の一発目は「腰椎硬膜外麻酔」について書いてみようと思います。この麻酔方法は実は何年も前から牛さんの臨床現場でつかわれている方法です。この麻酔をすることで牛さんの立位での開腹手術のときに非常に良好な麻酔効果が得られます。使用する麻酔薬も極少量ですみます。麻酔の方法も非常に簡単です。やり方についても「家畜診療」54巻6号に平岡先生が懇切丁寧に紹介してくださっています。そして多くの獣医さんがこの方法を使って麻酔をしています。

 で、小生はというと・・・・・・

 つい最近はじめてこの方法で麻酔をして開腹手術をしました。メスを皮膚にあてたとき、牛さんがまったく動きません。腹膜を切るときも一切動きません。恥ずかしながら今までこんなにしっかりと効いている麻酔をしたことがありませんでした。こんなに効くのかと思わず感動してしまいました。通常はラインブロックを主にするのですが、「腰椎硬膜外麻酔」と比べるとその差は歴然としています。あまりの違いに今までの小生のラインブロックは何だったのだと愕然。次回からは必ずこの方法で麻酔を行うと硬く心に誓いました。そして手術が終わってから何故小生は今までこの方法を知っているのにやらなかったのだろうか?と考えました。次回からは「腰椎硬膜外麻酔」を決行するまでの小生の心の動きを追ってみようと思います。「腰椎硬膜外麻酔」をやったことがない獣医さんの参考になれば幸いです。

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