(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
伏見康生のコラム
NO.276:おへその触診

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2014年3月26日

先月、鹿児島大学で行われたセミナーにて共済組合の先生が発表されていたおへその触診について、実際に役立つ機会がありました
これまではおへその触診と言うと、いわゆる体の外に出ている「へそ」の部分しか触ることがなかったのですが、その先生の発表を聞いてからちょっとでも違和感がある子牛はお腹の皮膚の上からできるだけ深くまで触ってみるようにしていました

先日、とある繁殖農家さんから「子牛が背中を丸めて尻尾をあげる」という禀告を受け診療に行きました。

一般的な診察では特に大きな異常は認めなかったのですが、おへそだけ小指くらいの太さで芯があるなぁという印象でした

そこでおなかの中を深く触っていくと・・・
おへその後ろ15cmくらいのところにどーんと大きな塊に触れました!!

NO.276:おへその触診_01

その段階で尿膜管の膿瘍があるとわかり、念のためエコーで切ると構造までバッチリよくわかりました

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当日の夕方はミルクを減らし、翌朝は絶食絶水してもらい、お昼に摘出オペをしました
癒着に少してこずりましたが、狙い通りの親玉が取れました!

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おなかの中の触診は猫や犬ではよく行っていましたが、牛も意外といけるもんだということが実際にわかり、とても大きな収穫でした

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