(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
蓮沼浩のコラム
「第143話 「8年の歴史」」

コラム一覧に戻る

2009年7月16日

先日突然133話で紹介した「8年間敷き料交換をしていない」農場の方から電話がありました。「おや、何だろう・・・重症の牛さんの往診依頼か?」と思って電話に出ると、

「蓮沼先生〜、場所を確保するために敷き料の一部を切り崩したからみにきてよ!」とのこと(笑)。

思わず「え??」となりましたが、やはり8年の歴史を肌で感じることは重要であると考えその日の夕方牧場へお邪魔してみました。最初に小生が見て感じたことは「やっぱり床が高け〜〜〜!」でした。そりゃそうだ、当たり前といえば当たり前ですよね。測ってみると約60cm。普通の農場で床の高さが60cmオーバーはなかなかないのでは。そしてその壁面を見てみるとまるで地層のように8年の歴史が刻まれているではないですか!不覚にも感動してしまいましたよ(笑)。やはり一番下の層が気になり掘り返してみると、赤茶色の本当に無臭の土でした。最初はノコクズを敷き料に使い、ある程度高さが出てきたところでトラクターを使ってならしていたそうです。大体20cmほどのところまではそのように手入れをしていたのですが、そのあとはトラクターが天井の梁にぶつかることからならすのをやめてひたすらモミガラの追加に変更。気がつけばあまりモミガラを追加する必要もなくなり8年経過し現在に至る、とのこと。みんなであ〜だ、こ〜だと昔話に花が咲きました。今度一番最下層の赤茶色の堆肥を使って「かぼちゃ」をつくる予定だそうです。最近はこのような堆肥は成分のバランスが悪いと報告されていますが、ガッツリ8年間嫌気発酵されたビンテージ堆肥は一発で根ぐされをおこすことなく、おいしいかぼちゃを作ってくれるものと期待しております!

|