2014年2月15日 大型ピロプラズマであるバベシアは、ダニによって媒介されます。沖縄県を除く日本全国に散在するB. ovateはフタトゲチマダニ、沖縄県に存在していたB. bigemina B.bovisはオオシマダニと呼ばれるマダニが牛さん達にバベシアを広げる役割を果たします。よって、ピロプラズマはダニの活動が活発となる秋に感染が多発します。マダニは牛さんの体に引っ付いて吸血をします。その際、牛さんの赤血球にバベシアが寄生していれば、血液と一緒にダニの体内にバベシアが入り込みます。ダニの体内に侵入したバベシアはその後、ダニの卵巣に移動しその中の卵細胞の中に入ってしまいます。バベシア入りのダニ卵はその後孵化して、幼ダニや若ダニとなり、バベシアは唾液腺細胞に移動して次の感染に備えます。(ダニに吸血されている間は痛みを感じないですよね。それはダニが吸血する際にまず動物の体内に唾液を注入することで唾液が麻酔の役割を果たすからなのです。)そして、その幼ダニや若ダニが吸血した際に、バベシアが牛さんの血管の中に入り込んで、赤血球の中に寄生します。 前の記事 第22話:寄生虫の話⑲ | 次の記事 第24話:寄生虫の話㉑ |