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蓮沼浩のコラム
「第125話 「努力の証」」

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2009年3月12日

 小生が往診に回っている肥育農家さんの一人にFさんという方がいます。とにかく真面目で一生懸命頑張っています。昔は養鶏をやっていたということもありとにかく牛床のノコクズ交換を非常に重要視しておりどれだけノコクズ交換をしたかが「努力の証」だと考えていました。往診に行くたびにいつもタイヤショベルに乗り全部の牛床のノコクズを取り替えて新しいサラサラのものに交換しています。周りの関係者の方たちもとにかく「牛床を換えてきれいにしろ!」「汚いからすぐにきれいにしろ!」とそれはそれは「きれいに交換しろ!」のオンパレード。もちろん本人は真面目ですから頑張りに頑張ってしょっちゅうやっています。しかしながら重要な問題があります。ここまで頑張っているのだから当然肥育成績も良さそうなものなのですが・・・・・悪いです。するとさらに頑張りが足りないからだと牛床のノコクズ交換に力を入れる。ちょっとこの方は極端な例かもしれませんが「牛床のノコクズをマメに交換することは非常によいことである。」という価値観は多くの人にとってかなり強力で根強いものがあると思います。次回からはこのあたりの問題について小生なりに考えてみたいと思います。
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