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蓮沼浩のコラム
「第105話 「絶対に除角をする! その1」」

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2008年10月16日

 今回は「絶対に除角をする」農家さんについて紹介してみようと思います。まず雌の肥育農家さんで「群飼い」をしているところはかなりの確立で除角をしています。その理由の第一はやはり雌同士の激しい「度突き合い」や驚いたりしたときの「偶発的な事故」からのアタリ予防でしょう。スペーをしている農場であれば違うのかもしれませんが「発情」がくることによる怪我の防止も重要です。とにかく出荷間近の牛さんのお腹に超巨大な「アタリ」が出来ると農家さん、ガックリきます。小生も全治2〜3ヶ月の診断。そしてやっと「アタリ」が治ってそろそろ出荷と思っていたらたまたま一緒にいた隔離部屋の牛さん同士で度突き合いをし、またしても巨大な「アタリ」の発生。これはかなり辛いものがあります。また、飼育面積に比べて牛さんを多く入れているところなども雄去勢牛であっても「除角」を積極的に行っています。除角をする前はかなりの確立で「アタリ」が発生していたのですがほとんど発生がなくなった例は多いですよ。除角をして、鼻輪をして、最後に「オモテ」までつけている農家さんはかなり合理的な考えを持った方が多いのでは?「蓮沼先生、だってこうしたほうが牛も捕まえやすいし安全だし、怪我も少ないし、下牛もできないしいいことばかりじゃないですか。」などとごく普通に答えてくれます。そしてこういう農家さんは「先生、何いっているの?角がなくても牛は牛だよ。」とやさしく教えてくれます(笑)。
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