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蓮沼浩のコラム
「第88話 「心音聴診のFIRDAとは?」」

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2008年6月12日

 心音を聴診する際の注意事項をFIRDAといいます。小生は一応フィルダとよんでいます。では一体このFIRDAとは何ぞや?と思うかもしれませんが特に難しいことではありません。Fはfrequency(頻度)、Iはintensity(強度)、Rはrhythm(リズム)、Dはdemarcation(境界)、Aはadventitious sounds(雑音)の頭文字をとっただけです。これは心音を聴診するときに心得ておくポイントです。たとえばある肥育牛の聴診をしたとき「心拍は100回/分、やや心悸亢進。リズムは1音、2音共にしっかりしている。境界は特に問題なく雑音は聞こえない・・・・おそらくさっき捕まえるときに逃げ回ったからだろう(笑)。」などと確認するときに使います。ここでF、I、R、Aは特に説明はいらないと思うのですが、Dは少しわかりにくいです。一応説明しておきますとDのdemarcation(境界)は心音が聞こえる範囲のことではなく心音の始まりと終わりがしっかりしていることを意味しますので注意してくださいね。この5つのポイントを意識して聴診するのとしないのとではかなり聴こえ方に違いがでると思うのでただ漫然と聴くのではなくこのようなことを考えながら聴いてみるといいかもしれませんよ。
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