2013年10月5日 牛さんにとって大敵のアイメリアですが、牛さんもやられてばかりではありません。アイメリアが牛さんの口から侵入し消化管の上皮細胞に寄生した際に、牛さんの体内では複雑な免疫反応が起こります。そして、体内の免疫細胞はアイメリアを敵として記憶するのです。すると、その後再びアイメリアが牛さんの体内に侵入してきた時、免疫細胞の働きによりアイメリアは上皮細胞に寄生できなくなります。このように牛さんは1度体内に寄生したアイメリアに対して免疫を獲得することができるのです。アイメリアの再感染に対する牛さん体内の防御反応を再感染抵抗性と呼ぶのですが、この再感染抵抗性は鶏やウサギなど様々な動物でみられるようです。写真はネズミさんの小腸の1部です。①の写真は再感染抵抗性を持たないネズミさんにオーシストを経口投与させた時のもので、アイメリアの寄生が多数見られます。②の写真は再感染抵抗性を持つネズミさんにオーシストを経口投与させた時のもので、アイメリアの寄生は全く見られません。 前の記事 第6話:寄生虫の話④ | 次の記事 第8話:寄生虫の話⑥ |