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蓮沼浩のコラム
「第49話 「採血のしかた」」

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2007年8月30日

 今回はどのようにして輸血用の血液を採取するか述べてみたいと思います。
① 500mlの重曹にバイアルインジェクターをつける。逆流防止弁がついている場合はそれを外しておく。
② 中に入っている重曹をもったいないけど400〜450ml捨てる。空気は完全に抜くように注意。もしも使いかけの重曹があれば当然そっちを使うようにする。出来ればいつもほとんど重曹が入っていないボトルを輸血用に1本ぐらい持っておきたい。
③ 重曹の中にヘパリン5000単位と水性デキサメサゾン1〜2mlを入れる。
④ 供血牛の頸静脈にバイアルインジェクターを刺して採血開始。駆血しておくと血液の集まり方が速い。
⑤ 必要なだけたまったらバイアルインジェクターを抜いて終了。
特に技術的に難しいことは何もありません。重曹を捨てるのがちょっともったいないので供血牛に400〜450ml投与してから採血する方法もあります。小生の場合子牛の下痢や肺炎などに使うことが多いので重曹を使っていますが、リンゲル液や生食などに採血しても当然OKです。ヘパリン以外の抗凝固剤でも全く問題ないと思いますよ。また、水性デキサメサゾンは一応ショック防止のために入れているのですが、教科書などでは入れていないようなので別に入れなくてもいいのかもしれませんね。時には輸血の中に抗生剤を入れる場合もありますよ。おそらく他にも色々な方法があると思いますが、ひとつの参考にしてみてくださいね。

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