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松本大策のコラム
カビの季節になりました

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2013年6月3日

 そろそろ全国梅雨入りですね。
梅雨と言えばカビの季節。みなさんカビ対策はなさっていらっしゃると思いますが、見落としている部分はないか、一緒に考えてみましょう。

 まず、粗飼料は一番目を光らせていらっしゃると思います。カビ毒吸着剤は与えていらっしゃると思いますが、過信は禁物です。カビ毒は、目に見えない程度のカビでも発生するので、その対策に使うのがベストです。カビ毒吸着剤を与えているからといって、カビの生えた粗飼料を与えるというのは本末転倒です。

 それにカビの恐ろしさはカビ毒だけではありません。「牛出血性腸症候」という牛さんの血便の原因No.2といわれるのが、カビ毒ではなく、「カビが腸管に生える」事が原因なのです。ですから大半のカビ毒吸着剤は、牛出血性腸症候には効果がありません。ひたすらカビの生えた飼料を与えない事がポイントなのです。

 カビは、配合飼料のペレットにも生えやすいので、たまには飼槽に残っているペレットもよく見てみましょう。写真のような「きなこ餅っぽい」ペレットは給与を中止しましょうね。
カビの季節になりました

 それから飼槽の内側もぬるぬるしているようなら、カビやばい菌の生えた状態です。洗浄・消毒を心がけましょう。

 あと、牛さんにも人にもカビが生えやすい時期です。水虫菌や白癬菌などのカビの胞子が24時間皮膚に付着していると、水虫やタムシになると言われていますから、こまめに皮膚の清浄を保ちましょうね。

カビの季節になりました

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