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松本大策のコラム
子牛をちょっとつかまえるときに

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2013年4月22日

 みなさん、子牛をロープで保定するほどではないけど、ちょっと熱を計りたいとか、ちょっと聴診したい、なんていう場面もあると思います。
 あるいは首輪が外れているのを着けなおしたいとかいう場面です。こういうときは、「耳保定」という方法が便利です。
 昔から、「馬の鼻保定、牛の耳保定」といって、馬は鼻に「鼻捻(鼻捻、もしくは鼻ねじといいます)」をかけるとおとなしくなり、牛さんは耳を捕まえるとおとなしくなるといわれてきました。
 確かにかなりの大きさの牛さんでも、前から両耳の付け根をつかんで保定すると比較的おとなしくなります。

 今回は、そのちょこっとした変法耳保定プラス鼻鏡(鼻の正面の平たいところ)圧迫法をご紹介します。

子牛をちょっとつかまえるときに

子牛をちょっとつかまえるときに

 写真をご覧ください。モデルは全酪連の佐藤君ですが、別に怪しいことをしてるわけではありませんよ(笑)。
 耳保定をかけた牛さんの鼻を、自分のおなかにくっつけてもらっています。こうすると牛さんが不思議におとなしくなるんです。
 鼻の頭が何かにふわっとくっつく経験って、お母さん牛のおっぱいを吸うときの感触に似てるから、もしかしたら本能の中に鼻鏡を柔らかく圧迫するとおとなしく、というか牛さんがホッとするような気分が仕組まれているのかもしれませんね。

 だって「経験上」というなら、人工哺育のホル雄やF1では、お母さんのおっぱいを吸った経験はありませんからね。男がおっぱいを好きなのも経験というより、やはり「本能」なのでしょうかね(笑)

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