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蓮沼浩のコラム
「第3話 「痛恨!木を見て森を見ず」」

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2006年10月2日

 子牛の病気に頭を悩ませながらひたすら治療をしているさなか、非常に年配の農家さんと話をしているとこんな事をいわれました。「先生、子牛の病気ばかりに目がいってしまっては本当に大事なことは見えてこないよ。病気をしている子牛も重要だけどその後ろに隠れていることに目を向けなければいけないよ。」この言葉を聞いて私は目から鱗が落ちました。まさに木を見て森を見ず・・・・。子牛の治療をしているとどうしても病気の子牛ばかりに目がいってしまい、その子牛の後ろにいるお母さん牛のことを忘れてしまっています。そこで母牛に目を向けてみると悪い農場に共通した意外な考え方が浮かび上がってきました。それは「お産の前は子牛が大きくなって難産になるので餌をやらない。子牛を生んだ後も母乳を飲みすぎて下痢をするので餌はやらない。」という考え方でした。簡単にいえば、分娩前後に餌を減らすという考え方でした。もしくは非常に少量の餌を同じように通しで与えるという考え方でした。でも何か変ではないでしょうか?
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