(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
伏見康生のコラム
NO.221:新しい体温計を模索中(4)

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2013年2月13日

ああっとっ!!!
大事なお話をするのを忘れていました。

体温計の(脳内)キャリブレーションをしないと、いきなり実戦投入では使えませんよね??

現時点で当診療所で使っている水銀式体温計(×1)、TERUMO人体用予測体温計(×3)、TANITA料理用体温計(×2、同一品色違い)を使って、測定温度の違いを調べてみました。
方法は、適度な温度の湯の中に体温計を全部ぶち込むだけです。

NO.221:新しい体温計を模索中(4)01

結果は・・・
水銀式体温計39.7℃
TERUMO 1 39.3℃
TERUMO 2 39.2℃
TERUMO 3 39.2℃
TANITA 1 39.8℃
TANITA 2 39.8℃

NO.221:新しい体温計を模索中(4)02

うーん・・・どれを基準に考えるかも難しいですし、メーカーさんの事情もあるでしょうから、スパッと考察するのは難しいのですが・・・

まず、TERUMOについて・・・3機種とも違う品番の品ですが、サーミスタの性能は同じで、予測式という点も同じでしたので、3本とも0.1℃以内の誤差で一致した点は製品としてとても信頼が持てます。他の実測式のものとの計測温度の違いは、検温した物質が「水」であったため熱伝導率や予測曲線に違いが出たためかな??また、「人体式」であるため、36℃前後では(予測)精度が高く、あまり高温や低温ではずれが大きいのかな??と考察しておきます。ただ、実際の現場で牛の体温を測る時にはさほど違和感がないようです。むしろメインユーザーの池田先生はちょっと高めに出るかもという印象を持っています。

水銀式体温計は実測でアナログですので、考察も何もありませんが、以前蓮沼先生が使っていた人体用(と思われる)水銀式体温計は、同じように試験した時に動物用のものと0.5℃以上違ってぶったまげた記憶があります。水銀計と言えども絶対の信頼はおけません。

そしてTANITAです。同じ商品の色違いの2本で試験したところ、全く同じ数値が出たので、精度に関してはとても信頼しています。水銀系に近い値が出たことでさらに安心感が増しました。実際の現場での私のインプレッションは「やはり水銀より若干高いかな~」という印象を感じています。

以上、体温計の測定比較試験でした~
ご参考まで!

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