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蓮沼浩のコラム
第312話: THI その3

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2013年1月24日

 ふと、小生はこのTHIについて書いている時に思いました。それは人間の行動力についてです。多くの人は小生も含めて「あ、これはいいな~」などと思ったとしても基本的にそこで止まってしまい行動にはうつしません。そして今まで通りのまま進んでいきます。もちろんコロコロ変わることなく、しっかりとした軸を持っていることは非常に大切です。しかし、今の時代は農家さんや関係者の人たちにイノベーションを小生としては是非頑張ってもらいたいのです。何でもいいのです。どデカイ変革なんて考えると大変だからTHIを飼養管理に取り入れるとか、発泡消毒をやってみるとかあまりお金がかからなくてよさそうなことをどんどんやってもらいたいのです。

が、 、 、 、なかなか簡単には人間は動きません。

 そこで小生はしつこく愛について農家さんに話しました。どうであれ一番大切なのは愛であると。愛を形にしようではないか!愛なくして牛飼いなし!そう、愛でござるぞ、愛でござるぞ、愛でござるぞ~~~~という感じにです。
本当にいい迷惑な話ですが、心優しい農家さん達はストレスメーターを設置してくれました。
そしてしばらくしてから恐る恐る反応を聞いてみると、大方の農家さんは「満更でもない」という微妙だけど肯定的な反応(笑)。

 小生が見たところ確実に農家さんの心に愛が生まれ始めているのを感じました。ほとんどの農家さんが毎日必ずチェックしています。ところが中にはこの愛の芽生えでもだえ苦しむ農家さんもいました。
「蓮沼先生、THI値の安全域があまりにも狭いじゃないですか!もう少し広くしてもらわないと私の心が休まりません!」とのこと。そうです、愛は時には重荷になるのです。笑っちゃいけませんが、よく見ると確かに60~70の間だけがよくてあとはストレス状態との判定。安全域は狭いっす。しかしですね、我々はこの愛なき不毛の時代であるがゆえに可能な限り牛さんたちに愛を与え続けたいとおもっております!

第312話: THI その3

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