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松本大策のコラム
牛歩とサシバエ

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2013年1月7日

 今日は久しぶりに「牛歩」の(株)コムテック、笹栗会長が見えられたので、今日のコラムは、現場で時々耳にする「牛歩とサシバエ」のお話をしたいと思います。

 サシバエが発生する時期になると、「お母さん牛がバタバタするので、牛歩を装着していても発情が分からないのではないか?」という相談を受ける機会が増えます。しかし、僕はほとんど問題ないと考えています。というのも、次の2つの特徴があるからです。

1:サシバエは昼間に行動し、多くのサシバエが牛を襲う。
 これはどういうことかと言うと、サシバエは昼間に次々と襲ってくるので、牛さんのバタバタは、牛歩のグラフでは1、昼間に、2、細かい波になって現れます。一方、発情時の母牛の歩行は急速に増加するために、大きなスパイクとなってグラフに現れるので、慣れている人は一目瞭然で区別できます。

2:発情の発現時期
 母牛の発情は、大きく夕方6時、夜中の12時、朝方の6時に現れることが大きいので、発情所見のグラフの波は夜間に現れることが大半で、サシバエがうっとうしくてバタバタするグラフの波とは時間帯が異なるということです。

 牛歩で発情の発見をしたら、13時間後くらいで人工授精して、350日程度の分娩間隔を実践している農場もたくさんあります。酪農学園大の堂地先生は発情開始後33時間程度で排卵するということですから、人工授精した精子は20時間程度で卵管まで泳いで行くのかもしれませんね。

 あ、笹栗会長は本当は牛歩LightとWEB版を紹介しに来たんでした。

牛歩とサシバエ01

牛歩とサシバエ02

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