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松本大策のコラム
「子牛を丈夫に育てる その11〜寄生虫の駆除(2)〜」

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2009年12月21日


 血便の原因がコクシジウムじゃないということを強調したいのではありません。本当に強調したいのは、「血便」がないからといって、「うちにはコクシジウムがいない」と思い込むのは危険だ、ということです。検査したら、牛さんには、ほぼ100%コクシジウムがいます。
 そして、この2種類の寄生虫には、それぞれ効果のある薬が違うのです。片方だけ駆除すると、もう片方がいきなり増えるケースが多いのです。最近注意していただきたいのは、イベルメクチン(アイボメックなど)の背中にかけるだけで線虫を駆除できる便利な薬ができたため、線虫の駆除がしっかりされるようになりました。
 ところが、先ほどお話ししたようにアイボメックトピカルは線虫類の駆虫薬ですから、コクシジウムの対策も同時にしないと、かえってコクシジウムの被害を大きくしている場合があるということです。
 以前は、アイボメックの使用と同時にエクテシン液を3日間経口投与することをお勧めしていました。サルファ剤とオルメトプリムという合成抗菌剤の合剤ですから、他のバイ菌が混合感染していても安全だからです。しかし、最近バイコックスという薬が販売されるようになりました。これまでコクシジウムの薬というとサルファ剤しかなかったのですが、じつはサルファ剤は発症中のコクシジウムには効果がなく、再感染を防ぎながら、コクシジウムの卵や子虫を殺していく、という使い方だったのです。でもバイコックスなら、コクシジウムの発育のすべての場面に効果があり、しかも1回飲ませてあげると4週間ほど効果が持続します。残念なことに、我が国では3ヶ月齢以下の子牛しか承認がないのですが、諸外国では9ヶ月齢まで承認があるので、第一胃内の善玉の原虫には悪影響を及ぼさないことも解っています。
 これら二つのお薬を併用することによって、あなたの農場の子牛の便が変わります。実際に試してみて下さい。
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