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松本大策のコラム
「疲れと疲労回復 その3」

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2009年8月3日


 さて、今回は、「疲れ」というか「老化」の原因と、その対策についてお話ししましょう。「老化」というのも、体の中で作られる「酸化物質」、つまり身体をさび付かせるような物質で細胞が障害を受けるので、ある意味疲労の蓄積と似たとこがあるんです。
 活性酸素などの酸化物質は、いろんなストレスで増加しますし、食べ物の中の過酸化脂質という「さび付いた油」も、強力な酸化物質です。夏場は、暑熱ストレスがかかりますし、サシバエなんかがいると牛さんもイライラして休めないから疲労物質や酸化物質の処理も進みません。また、飼料タンクの中もかなりの熱を持ちますから、油脂系飼料(ホミニーとか炒り大豆など)の油脂が紫外線や熱で参加して過酸化脂質に変質してしまいます。
 そこで、夏場の疲労を蓄積させないための管理といえば、
(1)タンクの暑熱対策をする
(2)酸化物質を体の中で消滅させてくれるビタミンEやβカロテンを添加する
(3)サシバエなどの衛生害虫を駆除する
などのストレス防止策をとってあげましょう。ビタミンEは、メイロング(明治)などの10%製剤なら、1日10g程度を飼料添加します。βカロチンの補給なら、ベタカロンEやルーサンペレットを飼料に添加しますが、配合飼料や肥育時期、繁殖月齢などを考慮して給与するので、量については地元の先生に問い合わせるか、個別にメールをいただければお答えします。
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