(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
伏見康生のコラム
NO.193:斜頸リターンズ

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2012年7月18日

今回は、4年ほど前になるコラムについて蒸し返してみようと思います。

第23回のコラム「中耳炎の症状各論7」にて、症状の一つである斜頸について触れさせていただきました。
その回で、斜頸は・・・
「中耳腔を通る内耳神経が障害されて斜頸が起こる」のか?
「炎症が内耳に波及して内耳炎によって斜頸が起こる」のか?
というテーマについて「後者ではないだろうか?」と考察させていただきました。

先日、中耳炎の症例発表を行っていた大学の後輩である学生「K」にそのあたりの話を聞くと非常によく調べていたので、さっそく情報を盗みみんなで共有しようと思います(笑)

結果としては、斜頸は前者の段階で起こるというものでした。その後の進行によっては内耳炎、脳炎へと波及していくので、後者でも起こりうるわけですが。

すると・・・また小さな疑問が・・・内耳神経は中耳腔を顔面神経と並走して走るわけですが、顔面神経麻痺よりも先に斜頸が起きている牛というのは見たことがありません。どういうわけか顔面神経麻痺→斜頸と症状は進行します。ということは顔面神経よりも内耳神経が深部に存在し、障害を受けるのが遅いということでしょうか?症例が少ないのか、偶然なのか?

いずれにせよ、まだ勉強不足です。しっかりしらべておきます。

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