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加地永理奈のコラム
牛伝染性リンパ腫の抵抗性を遺伝させる

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2026年9月2日

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牛伝染性リンパ腫(旧:牛白血病)は、有効なワクチンや治療法がないために、長年現場を悩ませている伝染病です。
感染拡大を防ぐためには、検査で感染牛を摘発し、隔離や淘汰などの対策を続けていかなくてはなりません。
しかし現状では、牛伝染性リンパ腫の発生数は減少していません。
牛伝染性リンパ腫を農場から清浄化し、それを維持するというのはとても大変なことです。

そんな中、宮崎県の種雄牛「富士蜜龍」が、牛伝染性リンパ腫ウイルス(BLV)に強い抵抗性を示す遺伝子を持ち、それが子牛へ確実に受け継がれるというニュースが発表されました。(Yahoo!ニュース
国内でこのような種雄牛が確認されたのは初めてということです。

私は、「BLV抵抗性遺伝子」の研究が進められていること自体を知らず、このニュースには大変驚きました。
「BLV抵抗性遺伝子」を持っている牛は、BLVに感染しても体内での増殖が抑えられ、発症や他の牛への感染リスクが低くなることが知れられています。
このBLV抵抗性牛を、BLV感染牛と非感染牛の間に壁としておけば、水平感染を防止する役目を果たしてくれます。

ただし、この「BLV抵抗性遺伝子」を保有している牛は非常に少なく、2021年の調査では、黒毛和種雌牛のうち約3.8%しか見つからなかったそうです。
種雄牛についても、岡山県では「秋藤花国」という種雄牛のみであったと報告されています。

これまで「BLV抵抗性遺伝子」は大変貴重な存在で、たとえその牛が見つかっても、子牛に遺伝するかは半分の確率でした。
それに対し、今回発表された「富士蜜龍」は、「BLV抵抗性遺伝子」が100%子牛に遺伝します。
富士密龍から「BLV抵抗性遺伝子」が全国に広がっていくことに期待大です。

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