(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
伏見康生のコラム
NO.191:吸いつけ!!

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2012年7月4日

早期離乳をする際、親から子牛を離したものの、「子牛がミルクを飲んでくれない」、「乳首になれてくれない」ということがありませんでしょうか??

何度か同様の相談を受けたことがあり、提案させていただいた処置でミルクを飲んでくれるようになった子牛がいましたので、記事にさせていただきたいと思います。

ミルクを飲まない子は、なぜミルクを飲んでくれないんでしょうか??
私はそこに恐怖心と、不安感があるからと思います。
すなわち、突然お母さんから離されて、知らない人間にグイグイと体を抑えられて、無理やり口に乳首を咥えさせられるということがそれに当たります。

そこで、ミルクになれない子牛に施す対策はいくつもあるとおもいますが、私がいつも提案するのが、「お母さんのおっぱいの環境を再現すること」です。

おっぱいの環境とは・・・薄暗く・・・お母さん牛の匂いがして・・・おっぱいが鼻やおでこに当たり・・・咥えると体温のように温かいおっぱいが出てくる・・・といったところでしょう。

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ということで、上記の相談を受けた時には、
1.黒いあるいは濃い色のタオルを使って子牛の目隠しをする(タオルに母牛の匂いをこすりつければベリグッ!)
→人間が見えなくなり、薄暗い股の間に入った感じを再現
2.子牛にまたがって乳首を咥えさせ、鼻の頭に乳首のフチを押し付けるなど軽く圧迫刺激をする
→おっぱいがもったりと子牛の頭部を覆う感じを再現
3.温度は39~40℃で適切に調整

何頭も成功しているので、困っている方がいらっしゃいましたらぜひ一度お試しください。
今度、何処かの製薬会社さんがノベルティを作る際には・・・真っ黒い厚手のタオルに「おっぱいくん」と刺繍して、使い方と共に配ったらウケるんじゃないかな~(^∇^)

実例のやり取りも掲示板に残っておりますので、興味のある方は、掲示板の検索機能にて「子牛の哺乳について」で検索してみてくださいね( ̄^ ̄)ゞ
・・・自分が検索してみると、私が入社する前からとっくに話題として上がってますね( ;´Д`)
いい情報は、再利用しなくちゃ(笑)!!

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