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橋本匠護のコラム
薬剤による分娩誘起の注意点

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2026年5月15日

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前回のコラムに引き続き、薬剤による分娩誘起の注意点についてです。

ポイント2:初乳への影響
牛では、分娩前2~3週間の期間で乳腺が特に発達すると言われています。つまり、乳房が全然張っていないような乳腺の発達が不十分な段階で分娩誘起を行うと、分娩後の初乳の量や質に影響する可能性があります。実際に分娩誘起を実施した母牛では、初乳の品質の指標の一つであるBRIX値が低下したという報告もあります。

特に、母牛から直接初乳を飲ませるような母子同居管理の農場では、非常に重要なポイントだと感じています。少しでも初乳の質や量が心配な際には、初乳製剤やDFAⅢ製剤などを活用することも有効です。

ポイント3:胎盤停滞の発生
分娩誘起といえば、胎盤(後産)停滞をイメージされる方も多いのではないでしょうか。薬剤の併用によって胎盤停滞の発生頻度を下げられるという報告もありますが、それでも一定の注意は必要です。

実際に、分娩誘起によって分娩間隔をきっちり管理しようとした結果、胎盤停滞が増え、逆に繁殖成績が低下してしまった――そんな事例もあります。

分娩後は、胎盤がしっかり排出されたか、食欲は維持されているかなどを十分に観察することが重要です。少しでも気になる点があれば、早めに獣医師へ相談していただきたいと思います。

個人的には、やはり自然分娩で無事に産んでもらうのが理想だと感じています。ただし、過大子や難産リスクなどを考慮すると、分娩誘起が必要になるケースがあるのも事実です。

今回は代表的なポイントだけを紹介しましたが、実際には他にも注意点やデメリットはあります。便利な方法だからこそ、“予定日だけ”で判断せず、ぜひ慎重にチェックしながら活用していただければと思います。
 

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