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加地永理奈のコラム
新刊を読んで銅欠乏症の発見に至った例

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2025年12月3日

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尿でわかる!マイコトキシン検査はじめました
尿中カビ毒検査とは(チラシ) / ご依頼の手順など

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松本先生の新刊「牛の治療マニュアル」を読んでくださった農家さんから、本に載っている病気と同じ牛がいるかもしれないとご相談いただきました。

こちらがご相談いただいた母牛の外貌です。

毛色が均一ではなく、まだらに色が抜けてしまっています。
今年になってから急激に変化したとのことです。

この被毛の変化から疑われる病気は「銅欠乏症」です。

銅欠乏症の母牛は繁殖障害もみられることが多いのですが、この母牛も例外ではなく、「発情行動から排卵まで数日かかる」という問題が昨年末から今年にかけて起きていました。

これらの情報から、この母牛は銅欠乏症の可能性が高いため、血液検査を実施しました。
結果は、血清銅の基準値が68~128μg/dLのところ17μg/dLと、とても低い値となっていました。銅欠乏症で確定です。

他の母牛も念のため同時に検査したのですが、もう1頭銅欠乏症の母牛が見つかりました。
2頭目も14μg/dLとさらに低い値で、この母牛は「2産目なのに白髪が生えてきた」「排卵が遅い」という、毛色と繁殖障害の両方の症状がありました。

銅欠乏症は、サイレージの発酵異常による熱変性が原因だと言われています。
したがって、サイレージの検査や変更、添加剤による銅の補給が必要となります。

銅欠乏症については松本先生の新刊75ページから記載されています。お手持ちのテキストをご覧ください(笑)
過去コラムもありますので、ぜひ参照してください。→「銅欠乏症のお話
 
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