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戸田克樹のコラム
第515話「病気を減らすためにできること⑫~寒冷期対策その2~」

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2025年11月27日

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 ヒーターやジャケットは寒冷期に非常に頼りになるアイテムです。ハッチで治療をするとき、ヒーターがついているとその暖かさが身に染みることは多々あります。また、ジャケットの隙間に手を入れると非常に暖かいことから、つけているかそうでないかでかなりの差があると言えます。ここで注意しなければいけないのは、ヒーターは設置場所が低いと火傷の危険性があることです。また、ジャケットは気温が高いときは熱がこもって暑くなりすぎて体調を崩してしまうというデメリットがあります。ヒーターもジャケットも牛に負担になることがないよう、気温をみながら使用してあげてください。とくに暖かくなる始める春先に注意が必要です。

 また、床面からの冷えを防ぐことも保温の観点からは重要です。寒冷地では長靴を履いていても冷たさで足が痛くなることがあります。コンクリート面から体温を奪われないために、ハッチの床に断熱材を敷いてあげるか、敷料を意識的に多めに敷いてあげましょう。敷料があまり手に入らない地域では安価なお風呂マットを利用されている農家さんも多いです。

 ミルクの増量や濃度の増加についても、子牛の便性状の変化を確認しながら実施するようにしましょう。その結果下痢をしてしまっては意味がありません。また、ミルクには「適正濃度」というものがありますので、そちらを必ず参照した上で行ってください。過去に、“自己流の強化哺乳”なるものを行った牧場で子牛の下痢が多発し、診療費が膨れ上がった事例がありました。もう10年ほど前のことですが、いまだに記憶に刻まれています(笑)。
 
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今週の動画
妊娠牛の打撲傷【Contusion in cow】

今回の動画は妊娠牛の打撲傷(挫傷)への対応についてです。

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