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戸田克樹のコラム
第514話「病気を減らすためにできること⑪~寒冷期対策その1~」

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2025年11月20日

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 子どもの通う保育園でもインフルエンザによる欠席が連日のように報告されるようになっています。免疫力を低下させる「冷え」は万病のもとですが、急激な冷え込みが影響していることは明らかです。牛の集団呼吸器病は季節の変り目に発生することからも分かるように、体がまだ冷え込みに慣れていない時期こそ体調管理が重要です。

 さて、成牛であれば筋肉やルーメン、肝臓における産熱量が高くなるため寒冷期に体調を崩す心配はあまりありません。やはり、冷えこみが大きく影響するのは皮下脂肪も少ない哺乳期、もしくは離乳して間もない時期の子牛ではないでしょうか。牛はあまり咳をしない動物です。いくら元気いっぱいミルクを飲んでくれていたり、エサを食べてくれていたりしても、咳を頻繁にする様子が見られる場合は検温などを行い、体調が悪くなっていないかを確認する方がよいと思います。

 哺乳期子牛を冷えから守る方法はいくつかあります。外から暖かくする方法としてヒーター設置、保温力を高める方法としてジャケットやネックウォーマーの装着、産熱量(カロリー)を高める方法としてミルクの増量や濃度の増加、放熱量を抑えるためにすきま風を防ぎ敷料交換の頻度を上げる、といった方法が挙げられます。


(ヒーター&ネックウォーマーでぬっくぬく)
 
 次回はそれぞれの方法について詳しくみていきます

 つづく
 
 
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今週の動画
尿膜管遺残を検査

尿膜管遺残の子牛を診察しました。

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