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松本大策のコラム
遠隔診療に備える その3

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2025年10月27日

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 僕が遠隔診療を普及したい、という想いを強く抱いているのは、もちろん獣医療を受けるのが難しい地域にいらっしゃる農家さんの役に立ちたい!というのが大きいのですが、それ以外にも、遠隔診療に託したい想いがいくつかあります。

 一つは、女性獣医師の割合がとても増えていて、僕の目から見ても優秀な方がたくさんいらっしゃいます。しかし、女性の場合、結婚や出産(というか妊娠が発覚したら、とても牛舎の中に入ってほしくはありません)、それに、男性も子育てに参加する空気は広がってきてはいますが、やはり子育て期間は現場復帰が難しいことが多いです。こういった事情で、現場に立てない期間ができます。それをきっかけに、大動物臨床から離れざるを得ない方もかなりいらっしゃるのです。

 また、僕もそろそろ64歳。現場に立てなくなるのもそう先の話ではないでしょう。そういった、ベテランでもう現場を駆け回ることはできないけど、経験だけはとても豊富な獣医さんも大勢いらっしゃいます。この方々のノウハウを生かさないのはもったいなさすぎます。

 遠隔診療のプラットフォームを作り、そこで獣医さん同士も勉強会をしたり、農家さん向けの勉強会を開催したり、という全国的な取り組みができていくことも期待しています。僕の夢は老人ホームからでもネットを介して、獣医師や農家の皆さんと交流し、お役に立つことです。

 このプラットホームでは、農家さん同士の交流や、ゆくゆくは資材屋さんからレストラン、販売店なども結んで有利購買、有利販売、その他への働きかけなども力を合わせていけたら、なんて夢ももっています。

 次回は、農家さんの自家治療と遠隔診療の区別や、この国の法的な問題(実は知らずに結構な罰則のある違反をしていたりすることがあるのです)などをお話しできればと考えています。
 
 
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新しい本が出ます!
今回の本は、農家さんが獣医さんと連携しながら、自分で治療できるように、病気の解説と治療の仕方、お薬の話、などを分かりやすくまとめたつもりです。

皮下注射や静脈注射、気管内注射などの仕方も解説しています。わかりやすいようにQRコードを付けてあるので、スマホをかざせば動画も見られますよ。

10月末発売。
お求めは日本畜産振興会(03-3379-3741)
もしくはシェパードまでお問い合わせください。
 
 
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今週の動画
牛の早期胎盤剥離【分娩】

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