2012年6月29日 泌尿器は、血液から老廃物をこし取って尿を作り、体の外に排出するという非常に大切な役割を果たしています。 特に尿を作る器官である腎臓の構造は非常に複雑で、腎臓に傷害が起こると致命傷になる事もあります。特に、高蛋白質・高リンな餌を食べている肥育牛においては、腎臓には常にかなりの負荷がかかっており、尿石症や腎不全といった病気のリスクと隣り合わせで生きていると言っても過言ではありません。 また、腎臓で出来た尿を排出する経路である尿管・膀胱・尿道は比較的シンプルな構造をしていますが、シンプルだからこそちょっとした異常で排尿障害を引き起こす可能性もあり、尿が体外に排出されない事によって「尿毒症」に陥る危険があります。尿を排出する最後の部分である尿道は、生殖器との位置関係も関わってくるので雌雄差が大きく、その事によって起きやすい病気も変わってきます。 次回からは、肥育牛で発生しやすい泌尿器の病気として、“尿石症”と“膀胱炎”を考えていきたいと思います。 前の記事 牛の解剖105:尿道(3) | 次の記事 尿石症を考える(1) |