2025年7月1日 *********************************************************** ≪ どうしたらよいのかわからない事例 ≫ 「先生~、子牛が下痢してますがよ~~~」 以上! まあ、子牛が下痢をしているということは伝わります。わかります。非常によくわかります。 しかし問題はここからです。 では、その情報を受けて、獣医さんはどう動けばいいのでしょうか。 ・子牛が下痢をしているから診療に来てほしいのか。 いろいろな取り方ができるわけです。 ですが、現場での経験からして一番多い、そしておそらく最も「正解」に近いパターンはこうです。 子牛が下痢をしているので、適当な時間に来て勝手に治しておいてくれ。あとは頼んだ。よろしく~~。 ハイ、獣医さんの心がふわっともやつきます。 やっぱりね、最後に一言、方向性を明示していただけると助かります。 この「お願いします~」の一言があるだけで、獣医さんの心のギアがしっかり入るんですよ。 ≪ とにかくクソ長い説明 ≫ これはこれで、なかなかパンチの効いたパターンです。 「先生あのね、みてもらいたい子牛なんだけど下痢するのよ。生まれた時からなんか変で、お父さんは大丈夫っていうんだけど、私は変だと思っていたのよ。そしたらやっぱり下痢止まらないし、お父さんはどこ見てんのか・・・(延々とお父さんの話が続く)。だから、自分でお薬飲ませて様子見てたら便が少し固まってきてね、いいかと思ったんだけど、そしたらまた緩くなってきて、でも食欲はあるのよ、ただ昨日は少し元気がなかった気もするし・・・(さらに話は続く)」 ええと、つまり子牛が下痢をしてるから往診を依頼しているということですよね? これはこれで情報量は豊富なのですが、長電話で腕がキツくなる頃には、本題がどこだったのか自分でもわからなくなります。 お父さんへの不満、これだけは何故かよくわかります。 ≪ 頭数が爆増 ≫ 例えば、こんな感じの稟告。 「先生、生後大体4カ月の和牛子牛が熱出してます。往診お願いします~~」 うんうん、シンプルで良いですね。 しかし・・・ 子牛が・・・ズラ~~~~ッと並んでる! えっ!?!? 「先生、今日は10頭お願いします。」 えぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!! 顔は冷静を装ってても、頭の中はパニックです。 ≪ ついでに地獄 ≫ さらに追い打ちをかけてくるのが、この魔法の言葉。 はい、出ました。 おそらく、全国の牛の臨床獣医師にアンケートを取ったら、「心がもやつくフレーズ ベスト3」に確実にランクインするであろう名台詞です(笑)。 小生の実体験をお話ししましょう。 ようやく終わって診療車に乗り、「やれやれ」とエンジンをかけたその時! 心、折れそうになりますよね。 というわけで、往診依頼の際には「頭数の明示」もぜひお願いします。 ≪ 理想の稟告とは? ≫ ということで、理想的な稟告というのは、 「先生、〇〇が□頭△△してます。往診お願いします~~。」 これだけで十分。シンプル・イズ・ベスト。 これで獣医さんは「診るモード」にギュンと入ります。 ちなみに「様子を見てたら良くなったんだけど、また悪くなってきた」と言われるケースもよくあります。 というわけで今回は、獣医さんの心をふんわりもやつかせる「稟告あるある」をお届けしました~~~。 |