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いやな肺炎の季節ですね |
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2024年12月2日
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2025年卒獣医師採用について
(有)シェパード鹿児島本所(鹿児島県阿久根市)、栃木支所(栃木県那須塩原市)ともに獣医師を募集しております。
詳細はこちらをご覧ください。
随時実習も受け入れております(5年生以上対象)。
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北海道、宮崎とコンサルを終えて栃木に戻ってきましたが、寒くなりましたね。
これからしばらくは、冷え込みと空気の乾燥で、肺炎が増える時期です。
敷料の乾燥状態を保てるように、きちんと交換してあげる、昼間は暖かくしすぎないで通風も確保し、夜間の冷え込みを防いで、気温の日隔差をなくす、ネックウォーマーで気道の冷えを防ぐ、ビタミンやミネラルを適正に保ち、低温環境下で体温を維持するためのカロリーを追加する(トウモロコシの中厚圧片を子牛で100~300g、成牛で500g~1kg)、等の対策はキッチリやってあげましょう。
また、すきま風は大敵です。風の速度が上がり、風の冷却効果(Wind Chill rafter)が高まるため、気温を下げてしまいます。
さて、これだけきちんとやっても肺炎にかかる牛さんが出ます。このときは、再発せずにきちんと治まるように、徹底した治療をしてあげるべきです。
子牛が死亡したり発育不全になる症例を見せていただくと、大抵治りきる前に「様子を見よう」と治療を中断しています。
結局、完全に治っていないため再発しますし、最初に感染した細菌も、叩ききれていないため、抗生物質への耐性まで獲得していることがあり、再発を繰り返す毎に治りにくくなっていくのです。
治ったと思っても、薬で押さえているだけの事が結構ありますから、治ったあとさらに1回の治療をお勧めします。
また抗生物質も特徴を知った上で、効果的に使いましょう。細菌やマイコプラズマは外側から内側の順番に叩く(細胞壁→細胞膜→核の順)。
時間依存性の薬(ペニシリン、アンピシリン、エクセネル、ニューフロールなど)は1度にたくさん使うより、朝夕2回のようにこまめに打つ、濃度依存性の薬(バイトリル、マルボシルなど)は耐性菌を阻止する量(最大投与量)で使う、などの工夫をしましょう。
今週の動画
牛さんの目が飛び出ていると・・・
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