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第461話「やっぱり脱臼でした」 |
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2024年10月17日
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2025年卒獣医師採用について
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「歩き方がおかしい」との稟告でとある育成牛を診察しました。その牛は右後肢の重度跛行を呈していて、つま先すらつけることができない状態。3本足でひょこひょこと歩いていました。
骨盤周囲を診てみると、右の股関節に異常がありました。どうやら股関節の外方脱臼のようです。
牧場のスタッフにも協力を仰ぎ整復を試みましたが、残念ながら整復はできず。鎮痛剤の投与と隔離管理の実施で状態が良くならないかを見ていくことにしました。再診後も状態は変わらず、健常肢の沈下や起立欲の低下も見られるようになっていきました。畜主からは積極的な治療の要望はなく、隔離管理継続としていたのですが、先日死亡の連絡があり検案に伺いました。
畜主の許可をいただけたので足の状態を確認してみると、大腿骨頭が寛骨臼から完全に露出しており、やはり股関節脱臼であることが確認できました。
胸部や腹部の解剖はこれまでたくさん行ってきたのですが、腰部の解剖は今回が初めてでした。筋をどう切ればうまく露出できるかいろいろと悩みながら行ったのですが、写真からも分かるように苦戦の割にはきれいに骨を露出することができませんでした。運動器の解剖の難しさを痛感した解剖経験でした。
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