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熱中症の珍しい症状 |
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2024年8月10日
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2025年卒獣医師採用について
(有)シェパード鹿児島本所(鹿児島県阿久根市)、栃木支所(栃木県那須塩原市)ともに獣医師を募集しております。
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随時実習も受け入れております(5年生以上対象)。
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先日、コンサル先の農場から急患の診療依頼(遠隔診療ですが)が来ました。「出荷前の牛が、ものすごい勢いで水みたいな液体を吐いている」ということです。
さっそくビデオを送っていただきましたが、本当に滝のようにほぼ透明の液体を、文字通りザーザーと吐き戻しています。
もしや、と思い体温や触ったときの熱さ、それからその日の気温(遠隔診療は全国にわたるので、聞いてみないと現場の気温はわからないのです)、前日の様子などをうかがってみました。
すると、体表温が熱く呼吸も早くて荒いとのこと。また気温も連日高い、とういことで、この症状は熱中症からだ、と確信しました。実は僕自身も、これまで何度か熱中症をやらかしていて、ひどかったときは嘔吐と痙攣が止まらなかったという経験があったからです。
すぐに牛さんの後頭部を氷枕で冷やして、酢酸リンゲルと重曹注、それからレバチオニンを静脈注射してもらいました。また、吐き気止めにプリンペランを投与したところ、一時間ほどで症状も収まり、翌日には餌も食べ始めましたが、翌日まで補液は続けていただきました。
今回は農場の奥さまの観察と説明がしっかりしていたので診断も速やかにつき、治療方針を立てることができました。
牛さんの熱中症では、あまり嘔吐を見かけませんが、こういう症例もあることをみなさんも知っておいてください。
(今日は兵庫のコンサルに向かっているのでまだ動画をアップしていませんが、後日YouTubeの方にアップしますね。)
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