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伏見康生のコラム
NO.185:尿路再閉塞

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2012年5月23日

訳あって、隣県の系列農場より数日前に搬入された重度発育不良、尿石症牛。
あちらの農場でオペが施されていて、昨日まではバイパス孔からか細いながらも排尿していました。

本日も元気なく・・・立たせて精査すると、尿が出ていませんでした!!
尿道のOPE後再閉塞です。
膀胱はパンパン。破裂寸前です。

尿道を少し切り開くと、出るわ出るわざらざらの砂粒状の結石!!
開いた部分の結石を除去しても、カテーテルは1cmくらいしか入りません(汗)
尿道内にはまだまだ結石がつまっています。
もちろん力技では絶対に開通させることはできません。

注射器に生理食塩水を吸って、カテーテルを尿道に差し込み小刻みに出し入れしながら間歇的にフラッシュして進めると・・・ごっそごそ砂粒状結石が出てきます!!
噴出した結石で手もざらざらです。

fushimi_185

尿道峡の部分まで突破させ、そのまま膀胱内へカテーテル留置して減圧後、念入りに膀胱洗浄を行いました。

再閉塞症例は、結石の大きさやつまりかたも様々ですが、今回のような砂粒状の場合は、フラッシュでの除去がとても有効です。
また、再閉塞する子はその後も閉塞するリスクは高いので、カテーテル留置が必要になるケースも多いです。

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