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蓮沼浩のコラム
第271話: タ、タマが残っとる・・・・(その5)

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2012年3月29日

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 どのような時にうまく去勢ができていないと判断するのか。やはり以前お話ししたように去勢しているはずの導入牛が他の牛さんに陰茎を露出して乗りかかるときは要注意です。このような場合は必ず陰嚢の触診を行いうまく去勢できているかを確認します。何もない時は去勢時期が遅い場合もありますので一応先方に去勢の状況を確認してもらうこともあります。しばらくして収まればよいのですが、続くようであれば直腸検査を行い精巣が骨盤近辺に残っていないか確認します。それでも怪しい時はホルモン検査を行います。

 次にある場合は妙に牛さんが雄っぽい場合です。角が他のものに比べてやたらと太かったり、額のところが大きく発達していたり、陰毛が妙に長かったり、体つきが妙に雄っぽい時に検査します。このようなケースは結構肥育が進んでから発見される場合があります。

 そして最後には導入時の身体検査の時に発見される場合です。陰嚢を触診すると正常に発育した精巣ほどは大きくないけれども親指ほどの精巣が残っている場合です。外見や行動からは雄らしさは感じられないのですが、確かに陰嚢内に精巣と思われるものが残っている場合があります。この精巣と思われる物体をどのように判断するのか。これは非常に慎重に判断を行わなければなりません。

 次回からそれぞれのケースについて詳しく説明してみようと思います。

(つづく)

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