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前村達矢のコラム
生まれてきた子牛の様子がおかしい!-続き

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2022年6月10日

前回のコラムでは、「生まれてきた子牛の様子がおかしい」というテーマでお話ししました。
以降、数日の治療や検査を行ったので、前回に引き続き報告しようと思います。

まず簡単におさらいすると、血液検査の結果(白血球↑、CK↑、CL↓)より腸炎が起きている可能性が高いだろうという判断をしました。
そこで抗生剤や抗炎症剤を数日繰り返して、再度血液検査を行ったところ、白血球は17400→10000/ULまで低下しました。しかし、CL含む電解質は以前として低いままでした。つまり、腸の炎症というか感染自体は治ってきてるけど、機能は回復しおらず、腸から吸収しなきゃいけないものが吸収出来ていないという結果でした。この時点では、症状としてもまだ水下痢でした、、

現在は、腸の機能を回復させることを目的に輸血やアミノ酸製剤の点滴、それからタンパク同化ホルモンを続けて、便性状の回復や血液の再検査で電解質が正常に戻るかどうかを見ていきたいと思っています。

ちなみに、目が飛び出ていたのは抗生剤と抗炎症剤の治療により、正常くらいまで落ち着き、誤嚥も以前のようにひどく繰り返すことは無くなりました。

未だこの子の病態や原因ははっきりとは分かりませんが、改善に向けてもう少し考えていこうと思っています。
 
 
 
 
今週の動画
【1:28】牛のあっかんべ~!? stick out tongue of cattle

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