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加地永理奈のコラム
寒さの基準について

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2022年1月12日

那須では12月からしっかりと雪が降っていたので、雨だと今日はあたたかいのかと思ってしまいますね。皆さんは天気予報で気温のチェックをしていますか?私は今まで数値を見ると必要以上に寒く感じてしまう気がして、なるべく見ないようにしていました。しかし最近は、牛にとっても受精卵にとっても気温はとても重要であることを実感しています。

気温はいったい何℃から気を付けなければならないのでしょうか。実は15℃を下回った時点で、子牛たちは寒冷ストレスを感じています!子牛はルーメン発酵がまだないこと、体脂肪が少ないことなどから、親牛よりも特に寒冷に弱いです。10℃を下回ったらネックウォーマーが必須と言えます。5℃以下になると子牛は体を削りはじめてしまいます。虚弱な子牛には、湯たんぽをあげる、ヒーターを置く、カーフジャケットにさらにカイロを貼る、などの特別待遇をしてあげてください。
寒くなるとネックウォーマーやカーフジャケットを着せてくださいとお願いしていますが、着せっぱなしも注意が必要です。子牛にとっては環境の一貫性がとにかく重要で、気温差もストレスの原因となります。そのため、日中はあたたかいけど夜になるとグッと冷える、気温差が10℃以上ある場合には、夕方に着せて日中は脱がせてあげるといったひと手間が大切になります。

子牛のハッチの中にしゃがんでジッとしてみると、実際に寒いかどうかわかりやすいです。気温は風の影響も強く受けるので、風を感じる場合には仕切りやシートをかぶせる、北風を受けないように南向きにするなど良いと思います。足元からひんやりしてきたら、ふかふかの敷料を増やす、コンクリートの上に断熱材としてお風呂マットを敷くなどの対策をしてみてください。

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