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松本大策のコラム
「サシバエのはなし その3」

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2007年6月11日


 サシバエに咬まれた牛さんの治療はどうしたらよいでしょうか?
たいていの場合は、サシバエがいなくなれば放っておいても勝手に治ってくれます。でも、たまにアレルギーのひどい牛さんなんかでは、咬まれた跡が腫れてきたり、「好酸球性肉芽種」という腫瘍っぽい病変に変わることがあります。
 こういうケースでは、軽度の場合は抗ヒスタミン軟膏(レスモナ軟膏など)を塗ればよくなりますが、重症のものになると注射を併用しないとなかなか良くならないタイプもあるのです。かゆみも強く、あちこちにこすりつけて皮膚に潰瘍を起こしたり、食欲が低下したりもします。
 そういったひどいケースでは、抗ヒスタミン剤(ラドンなど)やステロイド剤(デキサメサゾンなど:免疫抑制を起こすので抗生物質と併用します)を注射します。僕は、もっとも重症のものには、ペニシリン10ml+ラドン20ml+デキサメサゾン5mlを数回注射しました。もちろんちゃんと治りますよ。

好酸球性肉芽腫の関連写真はこちら

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