2019年12月4日 舌遊びってご存知ですか? 「遊び」と言われるので、ヒマを持て余した牛が自分のベロで遊んでいるのかな~、と思いきや…。実はこれ、結構なストレスサインのひとつなんです。ネーミングは面白いですが、状況の深刻さがなかなか伝わらないのは問題ですね。 「もっと食べたいのに!もっと咬みたいのに!できないよー!!!!!」というメッセージを強烈に人間に発しています。粗飼料を食べると自然とよく噛みますよね。さらに反芻を引き起こすのも粗飼料ですので、それによりさらに噛むという行動が発現しやすくなります。粗飼料が少ない、質が良くないせいであまり食べない、といったことがあれば、牛さんの舌や顎の動きが本来より少なくなります。その行動発現抑制によるストレス(自然界であれば満足に行えるはずの行動が何らかの理由により抑えられてしまったことによるストレス)が舌をべろべろ回し続ける、あるいは柵を咬むといった代償行動(満たされない動作欲求を他のやり方で満たそうとする)になって現れます。 とくに繁殖母牛や肥育牛でこうした行動がみられると要注意です。 舌遊びは決して遊んでいるわけではありませんので、発見したら牛さんのメッセージを組みとってあげてください。 ちなみに、舌べろべろサイン以外にも、「敷料を食べる」というサインも粗飼料不足を表していますのでご注意を! 前の記事 第262話「たまには表示を見てみよう⑤~A飼料って何?~」 | 次の記事 第264話「直腸検査ってやっぱり大事」 |