2019年11月27日 ショックです。牛の10桁を記録していると、6と8を見間違ったり、5と8を見間違ったり…あぁ、眼球の文字識別能が衰退してきているようです。うぅ~~~。ショックです。 これってどういう意味なのでしょう。牛のエサはすべてが「A飼料」です。これは動物性たんぱく質が入っていない家畜のエサを意味しています。 なぜそのような区分がなされているのでしょうか。 これには平成13年に国内発生が確認されたBSE(牛海綿状脳症)問題が大きく影響しています。異常プリオンが脳や脊髄内で増殖し、その結果脳がスポンジ状になり、神経症状などを呈しながら死亡する病気です。感染牛の肉骨粉(家畜の非食用部を粉砕・加熱処理したもの。カルシウムやタンパク質が豊富なため、家畜用のエサとして利用されてきた歴史があります)を食べた牛が感染・発症することが分かり、さらには感染牛の脳などを食べると人間にも感染する危険性もありました。BSE感染拡大や新たな発症を無くすために牛(めん羊やヤギ及びシカ)への動物性たんぱく質の給与制限措置がとられたわけです。 動物性たんぱく質が含まれていないことを示し、それを含む飼料とは完全に区別するためにAとBという区別を設けたわけですね。牛が口にする飼料はすべてA飼料でないといけないのです。ちなみに、A飼料のほかにも牛専用の意味として「反芻動物用飼料専用」や「牛用飼料専用」といった表記もされています。牛用の飼料は工場での製造や輸送ラインも他とは区別され、専用のラインで牛用飼料だけが作られ、専用の車で牛用の飼料だけが運搬される体制となっています。非常に徹底しております。 ちなみに、牛の脳や脊髄などの組織が家畜のエサに混在しないように規制が行われるようになってからは世界中でBSEの発生件数は減少し続け、現在はほとんど発生していません。平成31年以降は非定型BSE(異常プリオンの感染ではなく高齢により自然発生的に生じたもの)の発生しか報告されていませんので、こうした対策の効果が世界規模で功を奏しているようです。 |