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松本大策のコラム
「おっぱいが原因で起こる下痢(繁殖のお話) その1」

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2006年12月13日


 子牛は様々な原因で下痢を起こします。ウイルスの場合もありますし、各種の細菌が原因の場合もあります。もちろん寄生虫が悪さをすることもあります。これらの原因については、いろいろと予防対策をしてあげなくてはいけません。いまお話したのは「感染性腸炎」と呼ばれる下痢ですが、自然哺乳(お母さんのおっぱいを飲ませる場合)には、これ以外にも下痢の原因があります。しかも現場では、かなり高率に見られる下痢の原因、それがおっぱい(ミルク)の不良なのです。系統の良い但馬系のお母さん牛の中には、乳脂肪率が高すぎて子牛の脂肪消化能力を超える場合もありますが、おっぱいの不良で起こる下痢の大半は、お母さん牛の飼養管理の失敗が原因です。
 おっぱいが原因で起こる下痢にもいくつかのケースがあります。ひとつはシンナー入りの母乳を飲ませているケース。もう一つは小便入りの母乳を飲ませているケース。それから腐った母乳を飲ませているケースもあります。(つづく)
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