2019年9月9日
* * * * * * * * * ようやく朝夕は少し涼しくなってきましたが、この時期でもやはり熱中症の発生は見られます。また、夏本番で熱中症になった牛さんは、この時期に再発しやすい傾向にあります。 話が横道にそれましたが、熱中症(僕らは「熱射病」の方が呼び慣れているのですが)の牛さんを見つけたら、全身を冷やしながら血液が濃縮していたらリンゲルや生理食塩水の補液を行い、重曹注で血液のphを改善してあげる、というのがポピュラーな処置だと思います。あ、それにレバチオニンとかパンカル注、アリナミンなどを入れてあげて、全身の代謝も改善してあげますよね。 ここで注意していただきたいのが、僕らも時々やりますが、直腸内に注水して体温を下げる方法。これは、牛さんの状態(特に目つきとか)を見ながら慎重に実施しなければなりません。というか、できれば、後頭部から徐々に水をかけて少しずつ全身に広げていって冷やす方法の方が安全です。 もしも、このような状態に陥ったら、安息香酸ナトリウムカフェインやアドレナリンといった、あまり一般的ではない薬剤を用いなければ助けることが出来ないことも多いのです。これらの薬剤でショック状態からの脱出を図りつつ、頸動脈付近をペットボトルの湯たんぽで暖めるとか、高張糖液とビタミンB1、リンゲルや生理食塩水を補液してあげるなどで血流量や血圧を維持しなければなりませんが、いずれにしろとても難しい状態です。 熱中症で高熱の牛さんを見つけたら、「とにかく冷やしてあげたい!」というのが人情ですが、急激に冷やしすぎるのも危険だということは、心にとめておきましょう。 前の記事 牛さんが痩せる!! | 次の記事 添加剤の中身はよく確認しよう! |