2019年8月19日
* * * * * * * * * みなさん、夏バテなんかしてませんか?いやぁ、今年の夏も暑かったですねー!僕のコンサルに同行した人も、何人か倒れてしまいました(^-^; ようやく朝晩は、いくぶん涼しくなって、なんとか牛さんも持ちこたえてくれた子が多いようです。 でも、油断は大敵! 実は、夏バテの本番は秋なのです。夏の疲れがドッと出るのでしょうね。肥育牛でも、経済被害の大きな「筋肉水腫(ズル)」も、10月が一番多いのですよ。そういう、夏の疲れを溜め込んだ牛さんたちの早期発見と処置を考えてみましょう。 まず、みなさんが気づくのが食欲の不振や低下でしょう。それから呼吸が早いな、というのもよく見かける症状です。呼吸は、熱中症や肺炎でも早くなりますが、いずれにしても放っておいてはいけないので、早めに獣医さんに診てもらいましょう。よく、足のむくみを「ズル」の目安にする方もいらっしゃいます。こちらの症状も、ズルの特徴というわけではありませんが、第一胃の異常発酵で生じる毒素が原因になる(足のむくみは関節炎や寄生虫性皮膚炎からの感染によっても起こりますが)、という点では早期発見のポイントといってもいいでしょう。 夏から秋にかけて、肺炎と非常に見分けにくい「第一胃異常発酵由来の急性肺水腫」も増えてきます。肺に炎症があって、体温が高いからといって「肺炎だ!」と決めつけて抗生物質を使うと、出荷規制も付きますし、急性肺水腫の症状は急激に悪化するので、出荷を待つ間に死んでしまうことも多いのですが、ズルでも同じ症状が見られることがあり、診断は要注意です。他には「脂肪壊死症」でも同様の所見が見られることが多々あります。 いろいろな筋肉水腫(ズル)の症状を挙げてきましたが、中にはほとんど症状がなく、出荷したら全身ズルだった、なんて牛さんもいます。 そういう牛さんを出さないためにも、夏場はビタミンやミネラルが不足しないようにしてあげることはもちろん、餌やりの時間を一定にする、良質の粗飼料を与える、生菌剤や酵母製剤、シリカなどの吸着剤を上手に使う、などの対策で第一胃の発酵を整えてあげることもとても大切です。 その他の注意といえば、夏場に弱りやすい肝臓の解毒機能を、パントテン酸カルシウムなどの強肝剤で支えてあげることも有効だと思います。 前の記事 またまたやらかしちゃいました(事故じゃないよ!) | 次の記事 群内で弱い母牛のケア |