(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
戸田克樹のコラム
第247話「炎症はどう扱おうか②」

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2019年8月14日

シェパードでは獣医師を募集しています
 シェパードでは、関東地区の獣医療が不足している地域を支援するため、栃木県那須塩原市に支所を設けることにいたしました。2020年の4月に開設する予定です。経験、未経験は問いません。シェパードで研修後、現地勤務となります。募集内容は こちら から。

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遠くにあるはずの台風の影響で、すでに診療所管内の天気は悪化しています。
雨や風が少しずつ強まってきました。今回やってくる台風がいかに巨大なのかを改めて感じております。診療先の農家さんも台風対策を始めていました。被害がないことを祈るばかりです。
 
 
体を守るための炎症反応
病原体が侵入してきた場合、それらが直接細胞を破壊したり、病原体が増殖する際に出す毒素などで組織にダメージをもたらしたり、といった被害が出てきます。すると、壊れた細胞から出てくる成分によって炎症反応が生じ、さらにその炎症反応をきっかけに免疫細胞が活性化し、異物の排除に取り掛かってくれるます。結果、体がまた普段と変わらない状態に戻る(=恒常性の維持)という結果がもたらされます。つまり、炎症は痛いし、熱いし、辛い…けれども、体を守るために必要な反応である!ということなのです。

炎症を呼ぶ成分
では、具体的にどのような成分が炎症反応を呼ぶのでしょう。
代表的なのは「ヒスタミン」、「ロイコトリエン」、「プロスタグランジン」といった成分です。
まず、ヒスタミンは血管を腫れさせます。

そしてロイコトリエンは白血球が血管の外(組織)に行くような指示を出します(=白血球の遊走)。とくにこの2つはなかなかいいチームで、お互いがそろうことで効率のよい免疫反応をもたらすことができます。

なぜ、ヒスタミンとロイコトリエンがいいチームなのか…
その理由はまた次回へつづきます!

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