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私は大学時代、解剖学研究室というところに所属していました。動物の体の構造や機能、またそれらが出来上がっていく発生の過程や遺伝的背景を明らかにしていくという学問です。 そのためには、非常に多くの動物と比較をしたり、目で見ただけでは分からないものは顕微鏡で見たり、あるいは特定の遺伝子を取り除いたり別のものに換えたりして、その後の変化を見たりします。また、解剖学で分かった知見が応用され、臨床での疾病の治療に活かされていることもあります。つまり解剖学は、獣医学や生命科学における基礎的学問として存在しています。私の大学時代の恩師は「現代の解剖学の研究は100年後の臨床のためにある」と言っていました。 そんな堅いイメージの解剖学という学問は、獣医の先生方でも毛嫌いされている方は多いのではないでしょうか(笑)これからの私のコラムでは、そんな非常に広くて深い解剖の話を、牛の臨床現場での話となるべく繋がる様にやっていきたいと思います。 |