2019年5月20日 みなさんは、子牛の前膝(前手根関節といいます)が逆向きに曲がっているのを見たことがありますか?僕は、昨年から2頭ほど相談を受けています。 そのうちの1頭は黒毛和種で、相談内容からかなり逆膝がひどく前膝が正規の方向へ曲げられなかったため、少しずつ正規の方向(後ろの方ね)へ膝を曲げながら、何回か軽量ギプス固定を繰り返して整復してみてはどうでしょうか?と提案しました。 (僕はメールで相談をお受けしているので、写真やビデオは見ていますが、実際に現場に行ったわけではないので地元の獣医師の先生に処置はお願いしました。) この子は残念ながら、ギプスが食い込んで腐ってきたため、廃用になったとのご連絡をいただきました。とても残念です。 こちらの症例には、いつも骨格異常などの際に実施していただく「肺炎後処置」を月1回続けていただくと同時に、「エルカトニン」というヒト用の合成カルシトニン製剤(骨のカルシウム沈着を調整するホルモン剤です)を一度使用していただきました。この子も、実際には見ていないので、処置は先方の獣医さんにやっていただいたのですが、こちらの症例は生後3ヶ月には、ほぼ正常に症状が改善し、実際に現場に足を運んだ生後4ヶ月齢時点では、全く普通の子牛のように発育して暴れまくっていました(笑)。 牛さんの治癒力に感心するとともに、成功体験って大事だなあ、と改めて感じました。治った経験があれば、治療に迷いがなくなりますもんね。 前の記事 中国輸出の可能性と中国経済 その3 | 次の記事 セファガード・コバクタンのお話し |