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伏見康生のコラム
「NO.132 「肉片よ・・・お前は何なんだ?(4)」」

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2011年4月13日

 結果、寄生虫検査では、寄生虫卵は浮遊法・沈殿法で確認されず、クリプトスポリジウム、コクシジウムも確認されませんでした。
 ウイルス学的検査ではRT-PCRにてBVDウイルスとコロナウイルスが否定され、CPE検査でRS、アデノ、パラインフルエンザウイルス等が否定されました。また抗生物質を使用しているので細菌検査はありません。
 そして、もっとも期待していた病理組織学的検査では以下のようなコメントをいただきました。
 「線維素を主体として構成されており、好酸球やリンパ球、マクロファージがみられ、上皮様の細胞や細胞質に空胞のみられる分泌細胞様の細胞が見られた。」

 最後に疾病診断及び考察として、
 「ウイルス検査では、下痢の原因究明には至りませんでした。病理検査では、線維素を主体とした組織片中に、腸管の粘膜上皮にある杯細胞様の細胞が認められ、また、好酸球も多くみられたことから、腸管における何らかの寄生虫の関与の可能性が考えられましたが、糞便より寄生虫卵は確認されませんでした。」
 との報告をいただきました。

 ・・・さてこれらの報告を受け、本疾病が何であったのか、個人的な考察を含め次回締めくくりをさせていただきたいと思います。

(つ・づ・く)

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