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松本大策のコラム
は~るになれば…

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2019年2月22日

 もうすぐ春ですね。(北国の方はまだまだ寒い日が続いていると思いますが、もう少しの辛抱です)

 春になれば、寒さで固まっていた身体もほぐれ、牛さんたちも心なしかうきうきして来るようです。食欲も出ますので、増体も冬場に比べてグッと改善してきます。

 しかし、春におこるのは、良いことばかりではありません。まず心に留めておかなければならないのは、寄生虫のスプリングライズ(春の目覚め)です。牛さんの体内でどうやって春を感じるのか分かりませんが、寄生虫は春になるといきなりたくさんの卵を産むようになります。ですから、特に繁殖農場では、この時を目掛けて駆虫し、環境中の寄生虫が増えないようにしなければなりません。

 それから、厳寒期には身をひそめていた病原体も活発化します。鳥や小動物も活発に活動し始めますから、それらの運ぶ病原体に備えて、防鳥ネットや釣糸を張り巡らせるなどの対策もしておいた方がよいでしょう。クロストリジウムによる血便やボツリヌス症など、忘れた頃に大きな被害をもたらします。

 中国でも、3月は口蹄疫監視強化月間となっているのです。暖かくなると、人の活動も楽になりますから、この機会にしっかり防疫対策を実行しましょう!

 それから、春と秋はホルモンバランスの変化のためか、骨軟症も増えます。肥育牛では、急に増体が改善すると肉色が悪化したり、シマリが落ちたりもします。この話はそのうちコラムに書きますね。

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