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伏見康生のコラム
「NO.104: 「無角和種のお話(2)」」

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2010年8月25日

 無角和種の歴史は大正時代にさかのぼります。大正時代は、黒毛和種は雑種牛のドタバタを乗り越え、標準体型を初めて設定したり、褐毛和種はシンメンタールによる改良を盛んに行なったりと、まだまだ和牛は試行錯誤の段階であり、まだ各地には在来牛も多く残っていたと思われます。

 そのような中、大正9年、山口県阿武郡大井村(現・萩市)では、畜産試験場中国支場よりアバディーン・アンガス種の雑種種雄牛「子雀号」を導入し、在来の和牛と交配し改良を始めました。

 子雀号は、農林省畜産試験場がスコットランドより導入したアバディーン・アンガス種の種雄牛と和牛を交配して作出された一代雑種の種雄牛です。畜産試験場がどんな和牛と交配させて子雀号が作られたのか詳細を得ることはできませんでしたが、当時の改良の流れを考えると黒毛和種の母牛をかけ合わせた可能性が高いのではと思います。

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