2019年1月16日 今回はちょっと横道にそれますが、胎盤停滞がなぜ起こるのかについて考えます。 イラストのように、牛の胎盤は圧倒的に数が多いのです。それらが次々に剥がれることで、分娩後に胎盤は排出されます。少しでも剥がれないものがあると、「いつまでも胎盤が出てこない」という状態になってしまいます。 教科書的には正常であれば「分娩後6~8時間程度で胎盤は排出される」と記載されています。また、「分娩後12時間経過しても胎盤が排出されない状態を胎盤停滞と診断する」とあります。お産が終わったら、そのあとは胎盤が出たかどうかの確認が大切です。 残念ながら、胎盤停滞の明確な原因はよくわかっていません。 ビタミンAは粘膜の状態を良好に保ちますし、栄養状態が良好であればさらに細胞の動きが活発になります。古い細胞のターンオーバーを促進する効果も期待できますので、分娩後の胎盤の結合がより外れやすくなる可能性があります。さらに、カルシウムは筋収縮に欠かせません。子宮平滑筋の動きをサポートしてあげれば、産後の胎盤排泄が円滑に進んでくれるのではないでしょうか。 胎盤停滞予防を考える上でお産前の母体管理は非常に重要! |