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笹崎直哉のコラム
ルーメンについて考える その4

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2018年11月6日

 ルーメン細菌の生息場所が分かった上で、今度は機能面に触れていきましょう。一番重要とされる固形性飼料固着菌群について説明していきます。図を参照しながらお読みください。

 なんとルーメン発酵の活性に最も活躍しているんです。さらに菌群全体の50~75%を占めています。植物切片や穀物はルーメン内滞在時間が長いので付着する菌群は長く生存できる、と考えると沢山生息している理由がなんとなくわかりますよね。
植物細胞の主成分であるセルロースを分解するために必要なエンドグルカナーゼの活性。
デンプン(糖質)を分解して糖を生産してくれるアミラーゼの活性。
タンパク質を細かく分解するのに必要な酵素プロテアーゼの活性。
この三つの酵素活性の大半をここで担っています。まさに飼料の分解にはもってこいの細菌君達です。

牛さんがお腹いっぱいエサを食べ、しっかりと手間暇かけて反芻を行ってくれれば、飼料が細かくなり粘り気も出てくるので、より細菌が付着しやすくなり、ルーメン環境が整いますね。やっぱり反芻大事だな~。

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