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戸田克樹のコラム
第191話「子牛の下痢が悩ましい!⑮~移行抗体は長居してくれない~」

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2018年6月27日

抗体は病原体にくっついて、病原体が悪さをしたり、増えたりするのを止めてくれます。
また、くっついた抗体が目印になってくれるため、免疫細胞が病原体を攻撃しやすくなるという別の効果もあり
きちんと初乳を飲めて、なおかつ十分吸収できたのなら、子牛の体の中でお母さんからもらった抗体がはたらいてくれます。これでもうひと安心で…はないのです!!!!( ゚Д゚)

吸収された抗体はずっと子牛の体の中で活躍し続けてくれるわけではありません。
もちろん個体差はありますが、吸収された抗体量は生後1か月程度で半分、もしくはそれよりも少ない量にまで減ってしまいます。
もっと厳しいことを言うと、生後1週間目くらいから減少が始まるケースもあります
残念ですが、どんどんどんどん減っていくのです

となると、生まれた子牛は自分自身の免疫力で外部の病原体と戦っていくしかありません。
ここで病気にさせないために
母牛の管理を徹底し、お母さんをストレスのない健康な状態にしておくこと
きれいな環境をつくってお産に備えること
分娩前の時期にはエサを増やし、胎仔の増体を順調に行うこと

こうした基本的なことが重要になってきます。
 
 
 
 
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